着々と準備が進められていると、 東郷が小さく笑いながら入ってきた。 「ねぇ、今手洗い場の横 通って来たんだけどさ。 伊東先生、えげつないほど 咳してたけど。 あれ大丈夫?」 いつもなら真面目な顔で ジョークを飛ばす東郷も、 さすがに、と思ったらしい。 「死にそうな咳だったよ。 あれ、肋骨数本、折れてるわ」 「それはやばい」 と松島が笑う。 「働きすぎなんだよな」 東郷がそう言うと、 増山や周りの看護師たちも頷いていた。