パーフェクト・フィグ




患児の入室と同時に、
すみれと後輩の若手医師が
ベッドを押しながら入ってきた。

ドルミカムで鎮静され、
眠たそうに目がとろんとした
小学生男子の手には、
手作りと思われる
お守りが握られている。

手術台の横にベッドをつけたところで、
すみれは、


「よし」


と言って患児を見下ろした。


奏輔(そうすけ)、こっち移動できる?」


すみれにそう言われた奏輔は
コクリと頷いて、
周囲の大人たちに誘導されるがまま、
手術台に仰向けに寝転んだ。

松島が、酸素が出るマスクを
奏輔の口元に当てる。


「奏輔君、頑張ろうね!」


奏輔は再び頷いた。

鎮静剤の効果は偉大だな、
と雅俊は改めて思った。