パーフェクト・フィグ





数日後。

珍しく気温が低く、朝は肌寒かった。

雅俊は、スクラブの上から
黒の上着を羽織って、
手術室1番に入った。

今日もやはり、
すみれが執刀する
小児心臓の担当だった。

10歳男児の、僧帽弁置換術。

先に部屋に来ていた松島が、
雅俊が入ったところで顔を上げた。


「おはようございます!」

「あぁ」

「もうすっかり、小児心臓(小ヘルツ)担当ですね。
 すみれ先生の指名なんですよね?」


松島が意味深そうな眼差しで
見てくるのを無視しして、
雅俊は人工心肺を準備する
MEの増山に振り返った。


「今日はどんな感じですかね?」


心臓手術に関しては、
MEは執刀する外科医の次に、
手術に詳しいと、
雅俊は思っている。

もちろん、
病院によることはたしかだが。