パーフェクト・フィグ




手術室に到着すると、
麻酔科医の松島、研修医の下っ端医師、
看護師は仕事ができそうな中堅2人が顔を揃えていた。


「お願いします。
 田中心美ちゃん、1歳6か月、A型プラスです」


後輩がそう言う間にも、
ベッドから手術台へ心美を移す。

大量のシリンジポンプを移動させ、
各々が引継ぎなどをしている間に、
すみれは上着を脱いで袖を捲った。


「梶木の教授は?」

「まだですね」


看護師の一人が言った。

すみれはいつもより遅いことを
不思議に思いつつも、
着替える時間も惜しいため
私服のまま手洗いに向かった。