すみれは、頬に受けた冷たい風に ぎゅっと目を閉じた。 それから一つジャンプをして、 青く、高い、空を見上げる。 顔にかかる髪を避けて 後ろを振り返れば、 どこか仕方なさそうに、 でも、どこか楽しそうについてくる、 いい歳の成人男性が1人。 すみれはにやける口元をマフラーに埋めて 風下には届かない声で呟いた。 君がいれば、なんでもできる気がする。 君がいるだけで。 ただ、それだけで…。