夜。
すみれはいつもの場所で、
紺色の皿に乗せられた出来立てのハンバーグを
頬いっぱいに詰めて堪能していた。
「よかったの?その、ICUの子ってのは」
「勝手に周りが騒いでるだけだ」
向かいに座った雅俊が、
味噌汁を啜って言った。
「そもそも誰のことかもわかってない」
「その気にさせる君も悪いね」
「俺は何もしていない」
すみれは「ふーん」と言うものの、
全く興味なさげだった。
それから何も言うことなく
ハンバーグを綺麗に平らげた。
いつものように食器を洗って、
さっさとテレビの前のソファに座り込んでいた。
完全にここの住人の動きをするすみれを、
雅俊は何も言わず目で追っていた。



