パーフェクト・フィグ




急性期のハートセンターと
同じ階に緩和ケア部門があるのも
正直どうかと思う。

だが、すみれは心なしか、
少しだけ安堵していた。


たしか、週に3日はここ…?


ただただ入り口のドアに大きく示された
"緩和ケア"の文字を見ていた。


なにしてるんだろ、私…


すみれはそのままドアの前を通り過ぎた。

その直後にドアが開いた音がして、
思わず振り向くと、
よりにもよって、見たかった顔があった。

隣を歩く看護師に向けられた視線が、
ふとこちらに向けられる。

目線が合う前だった。

すみれは前に向き直って、
再び歩き始めた。

雅俊が看護師と何を話していようが、
どうでもよかった。

べつに会う必要なんてなかった。

ずっと、こんな気持ちは一人で乗り切ってきた。

今更、どうってことない。

大阪でも、アメリカでも、
いつだって、一人だった。


ただ、ここ最近が、違っただけ…