イブの夜明け。ミルクとオムツを替えて一花がまた寝付くと、今から眠るのはもったいないって、朝からご飯を作ってくれる陶史郎さん。
たすき掛けした着物姿は久しぶりに見る。スーツも格好良いけど、着物のほうが眼が優しい気がするから好き。鱈の西京焼きもひじきの煮物もよく似合う。
「今日は僕達だけのクリスマスだよ。誰にも邪魔させないから親子水入らずでね」
かつお節でお出汁をとった味噌汁もおいしい。湯気の向こうで陶史郎さんがにこにこしてる。
誰も邪魔しないって、お義母さんと玉置さんもかな。にぎやかな方があったかそうだなって思ったけど、・・・笑顔がなくなりそうで言えない。
「陶史郎さんはなにかしたいこと、ある?」
「もちろん。ひとつ目はねぇ」
企んだ眼で笑う。
「樹がなんでも僕の言うとおりにすること」
それは・・・昨日もおとといも、ずっとかな。
「二つめはね、奥さんと娘を可愛がること」
それも、かな。
「三つめはヤクザをやめること」
・・・・・・え?
たすき掛けした着物姿は久しぶりに見る。スーツも格好良いけど、着物のほうが眼が優しい気がするから好き。鱈の西京焼きもひじきの煮物もよく似合う。
「今日は僕達だけのクリスマスだよ。誰にも邪魔させないから親子水入らずでね」
かつお節でお出汁をとった味噌汁もおいしい。湯気の向こうで陶史郎さんがにこにこしてる。
誰も邪魔しないって、お義母さんと玉置さんもかな。にぎやかな方があったかそうだなって思ったけど、・・・笑顔がなくなりそうで言えない。
「陶史郎さんはなにかしたいこと、ある?」
「もちろん。ひとつ目はねぇ」
企んだ眼で笑う。
「樹がなんでも僕の言うとおりにすること」
それは・・・昨日もおとといも、ずっとかな。
「二つめはね、奥さんと娘を可愛がること」
それも、かな。
「三つめはヤクザをやめること」
・・・・・・え?



