学園最強の兄は妹を溺愛する

 個人種目は午前中にほぼすべて終了し、午後はリレー競技がメインだ。


「お兄様も蒼真さんも、4×200mリレーに出場されるのですよね?」

「ああ。短距離なら蒼真にだって負けない自信あるからな! しっかり見ててくれよな、彩智」

「蒼真さんも、出られるのですよね?」

「その予定だ」

「あの……が、がんばってください。応援してます」


 ただ応援してるって伝えるだけなのに、なんだか恥ずかしくて、蒼真さんの顔が見られない。


「……蒼真ぁ。どーしておまえだけ彩智に応援されてるのかなぁ? 十文字以内で答えてもらおうか?」

 お兄様が、なんだかギラギラした目で蒼真さんのことを見つめている。


「知らん」

 ひと言そう言うと、蒼真さんはさっさと運営本部のテントに向かって歩いていってしまった。


「お、お兄様のことも、もちろん応援していますからっ」

「うん。蒼真のことは、ギッタンギッタンにしてやるから、楽しみにしといてね♪」

「お兄様!? ケンカはダメですからね!?」

「わかってるよ。これはリレー対決なんだから、そんなことするわけないでしょ?」

 そう言って、ニコリと笑う。


「……いやいや、陽介先輩、目が完全にイッちゃってるから」