学園最強の兄は妹を溺愛する

「あ。そろそろグラウンドに戻らないといけませんね」

「えー、もうそんな時間?」

 気付けばすでに食事を終えてグラウンドに戻った人も多いようで、周囲の人影はまばらになっていた。


「莉乃さん、金沢さん、大変です! 午後の最初の演目は応援演舞ですよ!」

「うわっ、そういえばそうじゃん。早く着替えに行かないと」


 バタバタと慌ててゴミを片付けると、わたしたちは急いで更衣室へと向かった。


 更衣室のそばには、すでに着替えを終えたお兄様たちがいた。

 応援団らしく、いつもの学ランとは違って全員長ラン姿で、手には白い手袋、頭にはそれぞれ赤か白の長いはちまきを締めている。


「うわっ、カッコよ」

 莉乃さんが隣でつぶやくのが聞こえ、わたしも全力でこくこくと首を縦に振る。


「ほら、彩智たちも早く着替えておいで」

「すみません、遅くなってしまって」

「大丈夫だよ。まだ時間はあるから」