学園最強の兄は妹を溺愛する

「おいし~い! ほら、さっちーも早く食べな。ありがとね、悠」

「わたしの分まで、ありがとうございました、金沢さん」


 お礼を言って莉乃さんが半分こしてくれたフルーツサンドを受け取ると、さっそくパクリ。


「ふわぁ、おいしい」

 フルーツの甘酸っぱさと、生クリームの濃厚な甘みが絶妙にマッチしていて、自然と笑顔になってしまう。


「でしょ、でしょ!? はぁ~幸せ~」

「卵サンドも半分どうぞ、莉乃さん」

「ありがと。……なにこの分厚い玉子焼き!?」

「ふわっふわでとってもおいしいですよ」

「やばっ。毎日でも食べたいくらいだわ、これ。ねえ、悠のカレーも一口ちょうだい」

「……なにやってるんだ。大きな口開けて、おまえは」

「え? ここは食べさせてくれるとこじゃないの?」

「……みんな見てるだろうが」

「誰も見てないってー、あたしたちのことなんて」

「少なくとも、御門が見てる」

「わ、わたしも見てません!」

 慌ててギュッと目をつぶると、しばらくして「う~ん、これもおいし~い!」と莉乃さんの声が聞こえてきた。


「お礼にこっちもあげる」

「っ……」

「どう? おいしい?」

「……知らん」

「せっかくあげたのに、その態度はないんじゃないのぉ?」

「……うまかった」

「うん、よろしい」


 そーっと目を開けると、不機嫌そうな顔でカレーをかき込む金沢さんと、とっても幸せそうな笑顔でサンドイッチを頬張る莉乃さんがいた。