自分で言うのもなんだけど、わたし、かなりのブラコンだと思うの。

 お兄様がお屋敷に来てからずっと、わたしはお兄様のあとばかりつけていた。

 だから、お兄様に言われなくたって、この学園にわたしが入学するのは必然だったと思うわ。


「陽介。前置きはいい。さっさと本題に入れ」


 蒼真さんの方から、再びため息まじりの不機嫌そうな声が飛んでくる。


『——ああ、そうだな。悪い、悪い。今日、ここにみんなに集まってもらったのは、他でもない。今日からついに新学期がはじまるわけだけども。その前に、校則をひとつ追加させてもらおうと思ってね』


 この学園では、校長よりなにより、生徒会長が絶対的権力を持っているらしいの。

 その生徒会長をどうやって決めるのかというと……一番強い人——なのだとか。

 つまり、お兄様がこの学園内で一番強い、ということ。


 さすが、お兄様!


 でも、当然といえば当然よね。

 だって、勉学や教養だけでなく、武道も一通り身につけていらっしゃるんだから。