***
「なんで俺らがこんなことやんなきゃなんねーんだよ」
「他のヤツらにめっちゃ笑われてるし。あー、サイアク」
「あと二週間かぁ……長いなぁ……」
下校途中に、莉乃さんと一緒にグラウンドの隅の応援団の練習場所を覗くと、この前の三人組——お兄様にぶっ飛ばされた浜崎さん、蒼真さんに蹴り倒された津島さん、そして金沢さんにやられた木野さんが、揃って大きなため息を吐いていた。
「あれっ、悠もいるじゃん。あたし、なんにも聞いてないんだけどぉ」
怒ったように言いながらも、莉乃さんの声がなんだかうれしそうに聞こえる。
金沢さんは和太鼓担当らしく、二本のバチを交互に振り上げ、「ドンッ、ドンッ、ドンッ」といい音を鳴らしていた。
「ほらほら、さっさと立て。練習はじめるぞ。金沢を見習え。やる気満々だぞ、アイツは」
三人が、『おまえのせいで怒られたじゃねーかよ』とでも言いたげな目で、和太鼓の練習中の金沢さんの方を見る。
「はっ。ふざけんな。別にやる気なんかねーよ。どう考えたって、あの人に逆らうだけムダだってだけ。おまえらもいいかげん諦めろ」
手を止めて、大きなため息を吐く金沢さん。
「俺もどうせなら太鼓の方がよかったなー。金沢、代われよ」
「ヤだよ」
「なんで俺らがこんなことやんなきゃなんねーんだよ」
「他のヤツらにめっちゃ笑われてるし。あー、サイアク」
「あと二週間かぁ……長いなぁ……」
下校途中に、莉乃さんと一緒にグラウンドの隅の応援団の練習場所を覗くと、この前の三人組——お兄様にぶっ飛ばされた浜崎さん、蒼真さんに蹴り倒された津島さん、そして金沢さんにやられた木野さんが、揃って大きなため息を吐いていた。
「あれっ、悠もいるじゃん。あたし、なんにも聞いてないんだけどぉ」
怒ったように言いながらも、莉乃さんの声がなんだかうれしそうに聞こえる。
金沢さんは和太鼓担当らしく、二本のバチを交互に振り上げ、「ドンッ、ドンッ、ドンッ」といい音を鳴らしていた。
「ほらほら、さっさと立て。練習はじめるぞ。金沢を見習え。やる気満々だぞ、アイツは」
三人が、『おまえのせいで怒られたじゃねーかよ』とでも言いたげな目で、和太鼓の練習中の金沢さんの方を見る。
「はっ。ふざけんな。別にやる気なんかねーよ。どう考えたって、あの人に逆らうだけムダだってだけ。おまえらもいいかげん諦めろ」
手を止めて、大きなため息を吐く金沢さん。
「俺もどうせなら太鼓の方がよかったなー。金沢、代われよ」
「ヤだよ」



