「ち、違います! いえ、トップはお兄様なので、それは絶対にどなたにも譲れませんが。えっと、そうじゃなくて……絶対にトップにならなきゃ価値がないとか、そういうふうには思ってほしくないな、って思いまして」
「はっ。嫌味なら聞きたくないんだけど」
吐き捨てるようにしてそう言うと、校舎の中へと戻る扉に向かって大股で歩き出す。
「待って! ……ください」
わたしは慌てて扉の前に両手を開いて立ちはだかった。
どうやって言えばこの気持ちを金沢さんにちゃんと伝えられるんだろう。
思っていることを伝えるって、すごく難しい。
「金沢さん、面倒なことに巻き込むなって言いながらも、わたしの心配をして来てくれましたよね?」
「別に、あんたのためじゃない」
「それでもっ。あのときは、金沢さんが一番カッコよかったです! ……いえ、一番はお兄様なのですが。……二番は蒼真さんだったかもしれませんけど……。でも、なんていうか、あの空き地に金沢さんが来てくださった瞬間、あのときは、間違いなくわたしの中で金沢さんが一番だったんです」
「だから自信持てって? まさかあんたに慰められるとはな」
金沢さんが、再びふんっと鼻で笑う。
「はっ。嫌味なら聞きたくないんだけど」
吐き捨てるようにしてそう言うと、校舎の中へと戻る扉に向かって大股で歩き出す。
「待って! ……ください」
わたしは慌てて扉の前に両手を開いて立ちはだかった。
どうやって言えばこの気持ちを金沢さんにちゃんと伝えられるんだろう。
思っていることを伝えるって、すごく難しい。
「金沢さん、面倒なことに巻き込むなって言いながらも、わたしの心配をして来てくれましたよね?」
「別に、あんたのためじゃない」
「それでもっ。あのときは、金沢さんが一番カッコよかったです! ……いえ、一番はお兄様なのですが。……二番は蒼真さんだったかもしれませんけど……。でも、なんていうか、あの空き地に金沢さんが来てくださった瞬間、あのときは、間違いなくわたしの中で金沢さんが一番だったんです」
「だから自信持てって? まさかあんたに慰められるとはな」
金沢さんが、再びふんっと鼻で笑う。



