「ねえ、いいじゃん。たまにはさ。ね?」
「今日、お兄さんお休みなんでしょ? いつもお兄さんに付きまとわれて、彩智ちゃんも大変なんじゃない? こんな日くらい、ちょっとハメ外してぱあっと俺らと遊びにいこうよ」
帰宅しようと昇降口に向かって歩いていたら、「ちょっと話があるんだけど」と同じクラスの男子三人に声をかけられ、人の流れから外れた廊下の隅へと連れてこられた。
この方たちのおっしゃる通り、今日もお兄様はお仕事で学校をお休みされているのですよね。
お兄様のいない学校の行き帰りは、とても寂しくて、誰かと一緒にいたいと思うこともあるのですが……。
その『誰か』の姿が、ふっと頭の中に浮かぶ。
ぶるぶる!
慌てて頭を左右に振って、その『誰か』の姿をかき消した。
こんなの、わたしのただのワガママだから。
蒼真さんにご迷惑をお掛けするようなことは言えないわ。
「ああ、そうそう。莉乃ちゃんも、あとから来るって」
「莉乃さんもですか?」
「そ。莉乃ちゃんと俺ら三人だけじゃ、莉乃ちゃん女子一人で寂しいかなーと思って。だからさ、彩智ちゃんも一緒に行かない?」



