学園最強の兄は妹を溺愛する

 ゆっくり休憩してから、水族館の散策再開。


 鏡や照明を使って幻想的な演出をしているクラゲの水槽。

 タッチプールでは、ヒトデやウニ、ナマコに直接触ることもできるの。


「見てください、蒼真さん! すっごくカワイイですよ。蒼真さんも、触ってみませんか?」

 星型に赤いまだら模様のヒトデを水の中で手に乗せ、蒼真さんの方を振り返る。


「あ、ああ……俺は遠慮する」

「蒼真さん、ヒトデはお嫌いですか?」

「そういう、ぬめっとした感じのものは、ちょっと……」

「す、すみません! またわたしだけ楽しんでしまいましたね」

「だから、そういう心配はしなくて大丈夫だ。彩智が楽しそうにしてくれるだけで十分だ」

「そ、そうですか……?」

 蒼真さんの言葉に、かぁっと顔がアツくなる。


 こんな顔、蒼真さんに見せられない……。


 わたしは、ひたすらタッチプールの中のじっと見つめ、手当たり次第手のひらに乗せては戻し……を繰り返した。


 そういう思わせぶりなことを言わないで。

 そんな蒼真さんの一言一言に、心が落ち着かなくなる。


 そんなことを言われたら、期待しちゃいますよ?


 ——あのとき言ってくれた言葉の意味を、言葉通りに取ってもいいですか?