「な、なんだよ。相原のクセに、反抗的な態度とりやがって」
「いいかげん彼女置いてさっさと帰れよな!!」
そう言いながら、今度は黒髪の男性が拳を握り締め、蒼真さんへと殴りかかった。
「キャーッ!!」
思わず悲鳴を上げ、しゃがみ込む。
体が小刻みに震える。
はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……。
呼吸もなんだか苦しい。
「——俺の大切な人の前で、暴力行為は控えてくれ」
淡々とした蒼真さんの声が、遠くに聞こえる。
「ちょ、ま、た……タンマ、タンマ!」
おそるおそる見上げると、蒼真さんが黒髪の男性の拳を右の手のひらで受け止め、そのままギリギリと握り潰そうとしているみたいだった。
「いててっ……おい、痛ぇっつってんだろ! 放せ!」
蒼真さんがパッと手を離すと、二人揃って二、三歩後ずさりする。
「なんだこいつ?」
「おい、もう行こうぜ」
こちらをチラチラと振り返りつつ、二人は駆け足で水族館へと続く階段を上っていた。
「彩智、大丈夫か?」
うずくまったままのわたしの傍らに、蒼真さんもしゃがみ込む。
あ……。
蒼真さんが、温かい大きな手で、わたしの背中を優しくさすってくれる。
「落ち着いて、ゆっくり呼吸するんだ」
すーーはーーすーーはーー……。
今までのわたしなら、男性に触られただけでパニックを起こして失神してしまうはずなのに。
蒼真さんの手、なんだか落ち着く。
「いいかげん彼女置いてさっさと帰れよな!!」
そう言いながら、今度は黒髪の男性が拳を握り締め、蒼真さんへと殴りかかった。
「キャーッ!!」
思わず悲鳴を上げ、しゃがみ込む。
体が小刻みに震える。
はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……。
呼吸もなんだか苦しい。
「——俺の大切な人の前で、暴力行為は控えてくれ」
淡々とした蒼真さんの声が、遠くに聞こえる。
「ちょ、ま、た……タンマ、タンマ!」
おそるおそる見上げると、蒼真さんが黒髪の男性の拳を右の手のひらで受け止め、そのままギリギリと握り潰そうとしているみたいだった。
「いててっ……おい、痛ぇっつってんだろ! 放せ!」
蒼真さんがパッと手を離すと、二人揃って二、三歩後ずさりする。
「なんだこいつ?」
「おい、もう行こうぜ」
こちらをチラチラと振り返りつつ、二人は駆け足で水族館へと続く階段を上っていた。
「彩智、大丈夫か?」
うずくまったままのわたしの傍らに、蒼真さんもしゃがみ込む。
あ……。
蒼真さんが、温かい大きな手で、わたしの背中を優しくさすってくれる。
「落ち着いて、ゆっくり呼吸するんだ」
すーーはーーすーーはーー……。
今までのわたしなら、男性に触られただけでパニックを起こして失神してしまうはずなのに。
蒼真さんの手、なんだか落ち着く。



