学園最強の兄は妹を溺愛する

「蒼真さん!」

 蒼真さんが、捻りあげていた男性の腕を離すと、その男性は涙目で自分の腕をさする。


「は? なんだよ、お友だちって、男じゃねーか。マジふざけんな」

「……なあ、おい。ひょっとしてこいつ、相原じゃね?」

 そう言って、黒髪の男性が蒼真さんを親指で指し示す。


「うん? ……ホントだ。よく見たら、あのガリ勉マジメガネじゃん」

「なになに、ひょっとして、高校デビューってヤツ?」

 男性二人が、ヘラヘラ笑いながら蒼真さんの顔を覗き込んでいる。


「蒼真さん、ひょっとして、お知り合いですか?」

「……ああ。中学のクラスメイトだ」

 蒼真さんが、二人のことをじっと見据えたまま低い声で答える。


「おいおい、こんなカワイイ彼女、おまえにはもったいないってー。オレらがちゃんと楽しませてやるからさあ。おまえはもう帰んな?」

「そーそー。マジメくんは、おうちでお勉強でもしとけって」


 本当に蒼真さんの元クラスメイトの方たちなのでしょうか?

 なんだかわたしの知っている蒼真さんとは違う人の話をしているみたい。


「用はそれだけか?」

 蒼真さんが低い声で一言そう言うと、二人揃ってビクッと小さく肩を震わせる。