「……アイツは、俺のことを友人とは思っていないようだが?」
わわっ。そういえばお兄様は以前、蒼真さんはお友だちではないと否定されていましたっけ。
「で、でも、蒼真さんは、お兄様のことをお友だちだと思っていらっしゃるのですよね?」
「っ……」
蒼真さんが、痛いところを突かれたような顔をする。
「……そんなことはない。アイツの言った通り、俺はアイツの地位を虎視眈々と狙っているだけだ」
「でも……お兄様も、蒼真さんと一緒にいらっしゃるときは、なんていうか、年相応の顔をなさっているような気がするのですよね。蒼真さんに、とても気を許していらっしゃるというか。口では否定しながらも、お友だちと思っていらっしゃるのではないかと——」
と、そのとき——。
グワッシャーン!!!!
ものすごい音を立てて、扉が蹴破られた。
「はぁー……クソ面倒なことになった」
蒼真さんが、右手で顔面を覆いながらつぶやくように言う。
「——おい、蒼真。こんなところで彩智と二人きりでなにをしている?」
お兄様が、顔をうつむかせ、怒りを押し殺したように言う。
「別に。ただ危ないから校舎内へ戻るよう促していただけだ」
そんなお兄様に動揺した様子を一切見せず、蒼真さんはいつもと変わらぬ淡々とした口調で返す。
わわっ。そういえばお兄様は以前、蒼真さんはお友だちではないと否定されていましたっけ。
「で、でも、蒼真さんは、お兄様のことをお友だちだと思っていらっしゃるのですよね?」
「っ……」
蒼真さんが、痛いところを突かれたような顔をする。
「……そんなことはない。アイツの言った通り、俺はアイツの地位を虎視眈々と狙っているだけだ」
「でも……お兄様も、蒼真さんと一緒にいらっしゃるときは、なんていうか、年相応の顔をなさっているような気がするのですよね。蒼真さんに、とても気を許していらっしゃるというか。口では否定しながらも、お友だちと思っていらっしゃるのではないかと——」
と、そのとき——。
グワッシャーン!!!!
ものすごい音を立てて、扉が蹴破られた。
「はぁー……クソ面倒なことになった」
蒼真さんが、右手で顔面を覆いながらつぶやくように言う。
「——おい、蒼真。こんなところで彩智と二人きりでなにをしている?」
お兄様が、顔をうつむかせ、怒りを押し殺したように言う。
「別に。ただ危ないから校舎内へ戻るよう促していただけだ」
そんなお兄様に動揺した様子を一切見せず、蒼真さんはいつもと変わらぬ淡々とした口調で返す。



