と同時に、力強く、だけどわたしを優しく守るように腰に手が回され、ぐいっと引き寄せられる。
「ちょっと、ちょっとお。俺の妹に汚い手で触らないでくれる?」
軽い口調なのに、有無を言わせぬ意思を含んだ声が、すぐそばで聞こえる。
「お兄様!」
斜め上を見上げると、わたしを見下ろす優しい瞳と視線がぶつかった。
「え、あれ御門さんじゃね?」
「やべっ。あれがウワサの御門さんの妹? あっぶな。もうちょっとで俺も手ぇ出すとこだったわ。……ひぃっ!」
こっちを見てヒソヒソ話をしていた男子生徒が、小さく悲鳴をあげる。
「安心して、彩智。俺がいるかぎり、ここは日本一——いや、世界一安全な学校だからね」
「ちょっと、ちょっとお。俺の妹に汚い手で触らないでくれる?」
軽い口調なのに、有無を言わせぬ意思を含んだ声が、すぐそばで聞こえる。
「お兄様!」
斜め上を見上げると、わたしを見下ろす優しい瞳と視線がぶつかった。
「え、あれ御門さんじゃね?」
「やべっ。あれがウワサの御門さんの妹? あっぶな。もうちょっとで俺も手ぇ出すとこだったわ。……ひぃっ!」
こっちを見てヒソヒソ話をしていた男子生徒が、小さく悲鳴をあげる。
「安心して、彩智。俺がいるかぎり、ここは日本一——いや、世界一安全な学校だからね」



