学園最強の兄は妹を溺愛する

 ずーっと前にお兄様にお話しただけなのに、まさか覚えててくださったなんて!

 わたしがハマっている少女マンガの主人公たちが、学校帰りにカフェに寄ったり、ファミレスっていうところに寄ったりするの。


 うふふっ。わたしの憧れが、こんなに早く実現するだなんて、思ってもみなかったわ。


 他にもわたし、高校生になったらやってみたいことが、たくさんあるの。

 屋上でお弁当を食べたり、お友だちと恋バナをしたり。


 そうだ。恋バナをするには、わたしも恋をしなくっちゃ。

 ずっと女子校だったから、今までは誰かとお付き合いしてるっていうお話を聞く機会すらほとんどなかったの。

 許婚がいるっていう方は、何人かいたけど。


 けど…………そうよね。わたしには、やっぱりムリかもしれない。

 だって、わたし……。


「ほら彩智、なにぼーっとした顔してるの? 早く行くよ」

 連絡が終わったのか、スマホから顔を上げたお兄様がそう言うと、スタスタと歩き出す。


「あ、待ってください!」

 わたしと莉乃さんも、お兄様のあとをすぐに追いかけた。