学園最強の兄は妹を溺愛する

「蒼真は? それでいいの?」

「……俺は、彩智の喜ぶ顔が見られれば、それでいい」

 お兄様の問いに、淡々と答える蒼真さん。


「彩智は? どうしたい?」

「サチ、いいわよね? 一緒に行きましょ」

「はい……あの、もしよろしければ」

 アリサさんにワクワクした顔を向けられ、なんだか断れなくなってしまう。


 本当によかったのでしょうか。

 わたしたち、お邪魔だったのでは……?

 それに、わたしをここへ連れてきてくださった蒼真さんにも、悪いことをしてしまったのではないでしょうか。


 申し訳ない気持ちでいっぱいになって、そっと蒼真さんを見上げると、蒼真さんもわたしのことを見下ろしていて、目が合った。


「彩智が同行を望むのなら、俺のことは気にしなくていい。さっきの言葉は本心だ」

「はい。ありがとうございます」

 ニコッと笑ってお礼を言うと、蒼真さんはすっと顔を逸らして咳払いをひとつする。


「……彩智の率直な意見を聞かせてほしいんだが。あの二人のこと、どう思う?」

 お兄様たちには聞こえない小声で、蒼真さんがわたしに尋ねる。


「アタシ、実は自由の女神像見るの、はじめてなの!」

「そーなんだ。っていうか、思ったよりデカいんだなー、これ」

 お兄様たちの方をチラッと確認すると、お二人とも自由の女神像をとても楽しんでいるみたい。