「うわぁ、見てください、蒼真さん。自由の女神ですよ!」
翌日は、広大なセントラルパークを一望できる展望台に上ったあと、自由の女神を間近に見ることのできるクルーズに出発。
目の前に迫る大迫力の自由の女神像に大はしゃぎしながら蒼真さんの方を見ると、なぜか蒼真さんは、自由の女神ではなくわたしのことをじっと見つめていた。
「そ、蒼真さん。自由の女神はあちらですよ。せっかくの観光なんですから、ちゃんと見てくださいね」
「ああ、そうだな」
そう言いながら、蒼真さんが視線を自由の女神像へ向けようとしたとき——。
「いやあ、絶景かな、絶景かなー」
すぐそばで聞き慣れた声がして、驚いて蒼真さんと一緒に声の方を見る。
「お、お兄様!?」
「……なんでおまえがここにいるんだよ」
蒼真さんが、はぁーーーーと深いため息を吐いている。
「たまたまだって。たまたま。たまたまアリサとどっか観光行こうぜーって話んなって、日帰りでニューヨークでも行ってみるかーってなっただけ。まさか蒼真たちもニューヨークにいるとはなあ。いやあ、世間は狭いねえ」
そう言って、はっはっはーとワザとらしい笑い声を立てるお兄様。
「Hi! あなたがウワサのサチね。はじめまして。アタシ、ヨースケの友だちのアリサ。会えてとってもうれしいわ」
お兄様の隣にいた女性——アリサさんに突然ハグをされ、思わずフリーズしてしまう。



