学園最強の兄は妹を溺愛する

 そして、サンフランシスコから六時間弱のフライトで辿り着いたのは、ニューヨーク。


「今日はもう遅いから、観光は明日だな」


 蒼真さんの言うとおり、すでに時刻は午後九時を過ぎている。

 まさか泊りがけの観光になるなんて、思ってもみませんでした。


 えーっと…………えぇっ!?

 ひ、ひょっとして、これがウワサの恋人との一泊旅行……!?

 ど、ど、どうすればよいのでしょう……。


「心配するな。宿の予約は済ませてある」

 オロオロするわたしを安心させるように、蒼真さんが落ち着いた声で言う。


 いえ、そうではなくて……。


 軽くパニック状態のまま、タクシーで空港近くのホテルに到着。

 蒼真さんが、流暢な英語でホテルのスタッフの方をお話をされています。


 はぁ……なんてカッコいいのでしょう。


 ……ではなくて!