「ごめんなさい。おばさんが、二人だけにしてって陽介くんのお母さんにお願いしたの。おばさんと陽介くんのお話が終わったら、陽介くんのお母さんはすぐに戻ってくるわ」
「本当に……?」
「ええ、本当よ」
「……そっか」
まだ多少の不安はあったけれど、その女の人が、今までに見たこともないような優しい目で俺のことを見てくれているということに気がついて、俺の中の不安はあっという間に吹き飛んでいった。
「そうだ。実はね、娘とクッキーを作ってきたの」
そう言いながらその女の人が開けた箱の中には、いびつな形のクッキーがたくさん入っていた。
これ、本当にうまいのか?
半信半疑で端っこを少しだけかじってみる。
「……おいしい」
そのあとは、夢中でクッキーを口に運んだっけ。
「今日は、陽介くんにお願いがあって来たの」
俺がクッキーを食べ終えると、女の人が、改めて話を切り出した。
「僕に、お願い?」
「そう」
その女の人は、カバンから一枚の写真を取り出した。
「おばさんの娘。陽介くんのひとつ下の四歳よ」
その写真には、髪を肩の高さで切り揃えたかわいらしい女の子が写っていた。
ほっぺたをピンク色に染め、大きな水色のゴムボールを両手で持って笑っている。
目の前のおばさんにソックリな笑顔だな、と思った。
「本当に……?」
「ええ、本当よ」
「……そっか」
まだ多少の不安はあったけれど、その女の人が、今までに見たこともないような優しい目で俺のことを見てくれているということに気がついて、俺の中の不安はあっという間に吹き飛んでいった。
「そうだ。実はね、娘とクッキーを作ってきたの」
そう言いながらその女の人が開けた箱の中には、いびつな形のクッキーがたくさん入っていた。
これ、本当にうまいのか?
半信半疑で端っこを少しだけかじってみる。
「……おいしい」
そのあとは、夢中でクッキーを口に運んだっけ。
「今日は、陽介くんにお願いがあって来たの」
俺がクッキーを食べ終えると、女の人が、改めて話を切り出した。
「僕に、お願い?」
「そう」
その女の人は、カバンから一枚の写真を取り出した。
「おばさんの娘。陽介くんのひとつ下の四歳よ」
その写真には、髪を肩の高さで切り揃えたかわいらしい女の子が写っていた。
ほっぺたをピンク色に染め、大きな水色のゴムボールを両手で持って笑っている。
目の前のおばさんにソックリな笑顔だな、と思った。



