学園最強の兄は妹を溺愛する

『みなさん。改めまして、この一月より流星学園の生徒会長に就任しました、御門彩智と申します。

 これから、よりよい学園運営ができるよう、副会長の三浦莉乃さん、金沢悠さんとともに、精一杯がんばって参りたいと思っております。


 ですが……わたしたちだけでできることには、限りがあります。

 そんなときには、どうかみなさん、わたしたちに手を貸してください。


 間違えることもあるかもしれません。

 そんなときには、きちんと指摘し、正してください。


 わたしは、みなさんとともに、新しい学園を一緒に作っていきたいのです。

 楽しい学園生活を、ともに送りましょう。


 これをもちまして、わたしの就任の挨拶に代えさせていただきます』


「はぁ~~。なんだよ、その頼りない会長の挨拶は……。ったく、しょうがねえから手伝ってやるかあ」

「御門さんの妹に頼まれちゃあ、簡単に断れねえよなあ」


『みなさん……ありがとうございます!』


 わたしには、お兄様のように人の上に立って、引っ張っていけるような力はなにもない。

 自分にできることに限りがあることもわかっている。


 そんな弱みを最初から見せることは間違っているかもしれないけれど。

 これが、わたしなりに考えた、わたしのやり方だ。