「そんで? 二人の見送りに行って、どうだったの?」
「どうって……無事にお二人とも旅立たれましたよ」
「ちーがーう。そんなこと聞いてないって。あの二人が、さっちーとどんなふうに別れたのかが超気になって、夜も眠れないんだけど。さすがに蒼真先輩とは、キスくらいしたんでしょ?」
「キ……⁉」
わたしが思わずおでこを両手で押さえると、莉乃さんがはぁ~と大きなため息を吐く。
「なあんだ。でこちゅーか。意外とヘタレなのね、蒼真先輩って」
莉乃さんがつまらなさそうに言う。
「あー、でもそれ見たときの兄貴の反応は超見てみたかったわー」



