学園最強の兄は妹を溺愛する

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「ねえ、ちょっと! さっちーってば、あの陽介先輩の妹だったの⁉ お願い、さっちー。陽介先輩に、あたしのこと紹介してくれない?」

 教室に戻ると、同じクラスの三浦(みうら)莉乃(りの)さんが、顔の前でパチンっと両手を合わせ、わたしを拝んできた。


 今までは、共学といえど、荒れに荒れた学園だったためか、女子の入学者はほぼ皆無だった。

 けれど、お兄様がトップに立つようになって、学園に安定がもたらされたおかげなのか、今年はわたし以外にも女子の入学者が数名いたみたい。


 そのうちの一人が、この莉乃さん。

 キレイにウェーブのかかった明るい茶色の髪に、バッチリメイクをしている。

 昨日はじめて教室で会って、お互い自己紹介したときに、莉乃さんは「彩智かあ。じゃあ、さっちーって呼んでもいい?」って言ってくれたの。

 今まで学校ではずっと『彩智さん』って呼ばれていたから、『さっちー』ってニックネームで呼んでくれたのが、なんだかすごくうれしかった。


 莉乃さんを紹介したら、「さっそく友だちができてよかったな」って、お兄様も安心してくれるかもしれない。