ついにやりやがったな、アイツ。


 パーティー会場の大混乱を思い出し、ふっと口元に笑みが浮かぶ。


 親の敷いたレールを走らされるのがイヤで、反抗しまくっている俺とは真逆のようなヤツだったのにな。


 八歳年上の兄貴が家を出て数年。

 親の期待は、次男の俺に重くのしかかるばかりだった。


 ま、俺自身半端なことがしたいわけじゃなかったから、猛勉強の末、司法試験受験のための予備試験を中学の間に突破し、司法試験にも合格した。

 親の期待は大きくなるばかりだったが、俺はあえてこのヤンキー校への進学を選んだ。

 試験中、寝ていても受かるようなところだ。


 やることはやっているのだから、文句は言わせない。

 そう思ってはいたが、実際、驚くほど親にはなにも言われなかった。


 が、入ってから気づいた。そーいうことかよ、と。