「俺も正直君に会ったばかりの頃は、そう思っていた。兄に頼りきりで、一人ではなにもできない、ただのか弱い少女になにができる? 君に継がせるくらいなら、陽介が継ぐべきだと。けど、しばらく一緒に過ごすうちに、陽介の言いたいことが、なんとなくわかったような気がする」
「えっと……なにがわかったのですか?」
「君には、他の人間にはないものがある」
「他の方にはないもの……?」
「そうだ」
「それって、なんですか?」
「それは、人に教えてもらうべきものじゃない。自分の強みは、自分で見つけるんだ」
「そんな……。わたしには見当もつきません」
イジワルなことを言わないで、知っているのなら教えてくれればいいのに。
わたしが困って口をつぐんでいると、蒼真さんがもう一度口を開いた。
「俺がアメリカ留学を決めたのは、そんな君と出会ったからだ。陽介に言われたからじゃない」
そんなことを言われても、全然わからない。なんのヒントにもなっていないわ。
「これからの君の力になりたいと、本気でそう思うようになった。最初に陽介にアメリカ留学を勧められたときは、正直なにをバカなことを言っていると思ったが。あのときの提案があったからこそ、今、この決断をすることができた。陽介には、感謝しているよ」
そう言って、蒼真さんがふっと口元に笑みを浮かべる。
「アイツの計算通りに動いてやるのは少々腹立たしいが、本当にすべてアイツの計算通りに行くのか見てやりたいという興味も湧いた」
「でも……」
「えっと……なにがわかったのですか?」
「君には、他の人間にはないものがある」
「他の方にはないもの……?」
「そうだ」
「それって、なんですか?」
「それは、人に教えてもらうべきものじゃない。自分の強みは、自分で見つけるんだ」
「そんな……。わたしには見当もつきません」
イジワルなことを言わないで、知っているのなら教えてくれればいいのに。
わたしが困って口をつぐんでいると、蒼真さんがもう一度口を開いた。
「俺がアメリカ留学を決めたのは、そんな君と出会ったからだ。陽介に言われたからじゃない」
そんなことを言われても、全然わからない。なんのヒントにもなっていないわ。
「これからの君の力になりたいと、本気でそう思うようになった。最初に陽介にアメリカ留学を勧められたときは、正直なにをバカなことを言っていると思ったが。あのときの提案があったからこそ、今、この決断をすることができた。陽介には、感謝しているよ」
そう言って、蒼真さんがふっと口元に笑みを浮かべる。
「アイツの計算通りに動いてやるのは少々腹立たしいが、本当にすべてアイツの計算通りに行くのか見てやりたいという興味も湧いた」
「でも……」



