「彩智、今ちょっといいか?」
わたしの名前を呼ぶ声がして、莉乃さんと同時に声の方を見ると、教室の入り口のところに蒼真さんが立っていた。
「ほらっ。さっちー、早く行ってきな。弁当箱はあたしが片付けとくからさ」
さっとわたしの傍らに来た莉乃さんが、腕を引いてわたしを立ち上がらせると、蒼真さんの方へとわたしの肩をぐいぐい押す。
「そ、そんなに押さないでください」
「蒼真先輩だって、きっと陽介先輩に会えなくて寂しいんだって。話聞いてあげな?」
「……そう、ですよね。わかりました。行ってきます」
スマホも取り上げられ、お兄様は今、誰とも連絡が取れない状況だ。
あの会場内にいて事情を知っているからこそ、蒼真さんはきっとお兄様のことを心から心配されているに違いない。
わたしの名前を呼ぶ声がして、莉乃さんと同時に声の方を見ると、教室の入り口のところに蒼真さんが立っていた。
「ほらっ。さっちー、早く行ってきな。弁当箱はあたしが片付けとくからさ」
さっとわたしの傍らに来た莉乃さんが、腕を引いてわたしを立ち上がらせると、蒼真さんの方へとわたしの肩をぐいぐい押す。
「そ、そんなに押さないでください」
「蒼真先輩だって、きっと陽介先輩に会えなくて寂しいんだって。話聞いてあげな?」
「……そう、ですよね。わかりました。行ってきます」
スマホも取り上げられ、お兄様は今、誰とも連絡が取れない状況だ。
あの会場内にいて事情を知っているからこそ、蒼真さんはきっとお兄様のことを心から心配されているに違いない。



