今日、お兄様は、御門ホールディングスの後継者として正式にお披露目される。
そして、婚約発表も。
お兄様、いったいどうするのかしら。
まさかこのような公の場で婚約破棄を言い出したりはしないと思うのだけれど……。
だってわたしのお兄様は、決して自分勝手な振る舞いをするような方ではないから。
婚約破棄を大勢の前で宣言して、麗華さんをむやみに傷つけるようなことはしないはず。
……そうですよね、お兄様?
「彩智、大丈夫? 顔色がよくないようだけど。今まで彩智は、あまりこういう社交場に顔を出すことはなかったからね。緊張するのも無理はない。けど、大丈夫。俺がずっと彩智のそばにいるからね」
わたしの隣に座ったお兄様が、わたしを安心させるように優しいほほえみを向けてくれる。
「お兄様、あのっ——」
「彩智、前にも言ったよね? 彩智が心配することはなにもない。わかった?」
「……はい、お兄様」
わたしの考えていることなど、すべて見透かされているみたい。
でも、お兄様にいくら心配することはなにもないと言われても、気持ちは全然晴れなかった。
そして、婚約発表も。
お兄様、いったいどうするのかしら。
まさかこのような公の場で婚約破棄を言い出したりはしないと思うのだけれど……。
だってわたしのお兄様は、決して自分勝手な振る舞いをするような方ではないから。
婚約破棄を大勢の前で宣言して、麗華さんをむやみに傷つけるようなことはしないはず。
……そうですよね、お兄様?
「彩智、大丈夫? 顔色がよくないようだけど。今まで彩智は、あまりこういう社交場に顔を出すことはなかったからね。緊張するのも無理はない。けど、大丈夫。俺がずっと彩智のそばにいるからね」
わたしの隣に座ったお兄様が、わたしを安心させるように優しいほほえみを向けてくれる。
「お兄様、あのっ——」
「彩智、前にも言ったよね? 彩智が心配することはなにもない。わかった?」
「……はい、お兄様」
わたしの考えていることなど、すべて見透かされているみたい。
でも、お兄様にいくら心配することはなにもないと言われても、気持ちは全然晴れなかった。



