学園最強の兄は妹を溺愛する

『おいっ! そこの二人、なに俺に隠れてイチャついてやがる。今すぐ離れろ! 蒼真!! マっジでおまえ……だーーーークソがッ!!!!』


 お兄様の声にハッと我に返ると、わたしは慌てて蒼真さんから離れた。


「す、すみません、わたし、なんてこと……」

 自分でも信じられないような大胆な行動に、あたふたしてしまう。


「大丈夫だ。問題ない」

 そう言ってふいっと顔をそらすと、蒼真さんは運営本部のテントへと入っていった。


 蒼真さん、それはどういう意味ですか?


『俺はなんとも思っていないから、気にするな』ということ?


 それとも……。


 胸が締め付けられるように苦しくて、わたしは胸元をぎゅっと握り締めたまま、自分の席に向かってとぼとぼと歩いていった。