兄のフリして中学生活なんて、波乱万丈すぎないですか!?

スーッ。
深く深呼吸をする。
「ご来場いただいた保護者の皆様、本日はお越しくださりありがとうございます。
入学したとき、大きいランドセルを背負い、ぶかぶかの制服を来て、これからの小学校生活に期待を胸に抱いたことを懐かしく感じます。
私たちは、六年間、たくさんのことを学んできました。
年を重ねるごとに、できることも増えてきて、嬉しかったです。
最後に、これまで関わってきた方々に、溢れるほどの感謝を申し上げます。」
ちゃんと式辞いえて良かったー!
お兄ちゃんが考えていた文が書かれた紙をもらったんだけど、お兄ちゃんが考えていた文には、「これまでたくさんの愛情を注ぎ、育ててくれたお父さん、お母さん」っていう言葉があったんだけど、私にそれは当てはまらないから、少し文を変えさせてもらった。
だって、お父さんとお母さんは、お兄ちゃんが卒業式に出席できないと知ると、仕事を優先して、娘の私は出ているのに、来てくれなかったから。
それから、卒業式は終わりを迎えて、私たち六年生は、六年間通っていた双葉小学校をあとにした。