東雲都姫《しののめ みやび》
私はこの名前が嫌いだ。
この名前を持っていなかったのなら、政略結婚なんて、完璧を押し付けられることなんてなかった。
「初めまして。藤堂信です」
「…お初にお目にかかります。東雲都姫と申します」
藤堂グループの御曹司、藤堂信《とうどう しん》
サラサラとした銀髪に、キリッとした目元、薄い唇。そして藤堂家の証とも言える赤い瞳。
名家の御曹司とは言えないほど個性的で、自由な容姿をしている。
けれど口調や声は落ち着いていて、成人している男性と言われても違和感ない程大人っぽい。
私と1つしか変わらないというのに。
「そんなに堅くならないでください。私はあなたを婚約者として藤堂家に迎え入れたいと思っています。少し、外に出てお話ししませんか?」
そう言って微笑んだ彼に、私はただ言われるがまま、
「はい」
とだけ答えた。
私はこの名前が嫌いだ。
この名前を持っていなかったのなら、政略結婚なんて、完璧を押し付けられることなんてなかった。
「初めまして。藤堂信です」
「…お初にお目にかかります。東雲都姫と申します」
藤堂グループの御曹司、藤堂信《とうどう しん》
サラサラとした銀髪に、キリッとした目元、薄い唇。そして藤堂家の証とも言える赤い瞳。
名家の御曹司とは言えないほど個性的で、自由な容姿をしている。
けれど口調や声は落ち着いていて、成人している男性と言われても違和感ない程大人っぽい。
私と1つしか変わらないというのに。
「そんなに堅くならないでください。私はあなたを婚約者として藤堂家に迎え入れたいと思っています。少し、外に出てお話ししませんか?」
そう言って微笑んだ彼に、私はただ言われるがまま、
「はい」
とだけ答えた。
