殺人容疑をかけられた悪役令嬢の真実。

 裁判の結果、ウィルモットと皇后は死刑と判断が決まったのだった。

 それから一ヶ月後。
 平和を取り戻したセレスティンは、カトリーヌの墓の前に居た。埋葬された墓にユリの花束を添える。生前で彼女が好きだった花だ。

「カトリーヌ。全てが終わったよ……これで浮かばれるはずだよね?」

 悲しい最期になってしまったが、セレスティンにとったら無二のない親友と言えただろう。誰よりも純粋で優しかった彼女は、本物の聖女だった。
 あんな出会い方をしていなかったら、もっとお互いを理解し、仲睦ましい未来が待っていたはずなのに。
 そう思いながら手を合わせていると人の気配が。目を開けて、振り返るとレンデルだった。

「やはり、ここに居たか」

「レンデル様。あ、いや……レンデル皇帝陛下」

 慌てて立ち上がり、ドレスの裾を上げて挨拶をする。
 レンデルは、あれから皇帝陛下に即位することが決まった。父親である皇帝の病状が重く、これ以上は長くないと判断したからだ。

「いや、まだ皇太子だぞ。それに、君だって皇后ではないか」

「あ、あの……私なんかで本当にいいのでしょうか? 皇后だなんて」

 あれから話し合いを重ねてセレスティンはレンデルとの結婚が決まった。一度は皇太子の婚約者だった身だ。それが一番相応しいと落ち着く。
 しかし婚約破棄までされたのも事実。そんな自分が本当にレンデルの妻として、皇后になってもいいのだろうかと、悩んでいた。

「俺は……それでいいと思う。いや、そうであってほしい」

「レンデル……さま」

 真っ直ぐとセレスティンの顔を見るレンデルは、真剣な表情だ。