殺人容疑をかけられた悪役令嬢の真実。

 後日。それを含めて事情聴取として自白剤を飲まされることに。
 そしてレンデルが質問をする。すると、皇后は笑いながら話し始めた。

「だってあの子は、臆病で誰よりも繊細な性格をしているのよ? 今だって側室の子のせいで自信を無くして……本当に可哀想に。だから私がチャンスをあげたのよ。自分の父であり、皇帝を蹴落として上に立てたら、それはもう誰もが恐れる立派な王になれるわ。あの子の誇りや自信にもなる。誰もあの子を馬鹿にしない……最強の王に。フフッ……」

 それでは、まるで反逆者の王だ。
 皇后は何処かで、それを履き違えてしまったようだ。自分の息子を皇太子として誇りと自信をつけさせるのはいい。
 だが、しかし相手を陥れて手に入れた自信は何の身にもならない。ただ傲慢でプライドだけが高い貧弱な皇帝になるだけだろう。今のウィルモットみたいに。
 事実を聞いてセレスティンは悲しい気持ちになった。

「では……最後の質問です。どうして聖女に毒を盛った罪を着せようと思ったのですか?」

 セレスティンが質問をすると皇后はニヤッと笑う。

「あの子は……平民だからよ。いくら聖女でも、平民ではウィルモットに相応しくない。だから、盾にしようと思ったの。罪があれば皇妃には出来ないもの。それなのに、あの子ったら……聖女を殺してしまった。でもいいの……あの子は咄嗟でもセレスティンを容疑者にしたから。本当……うちの子は天才だわ。オッホッホ」

 壊れたかのように高笑う皇后は、もう哀れになるほど心が歪んでしまっていた。
 少しでも皇后が正しいやり方で、ウィルモットに教育をしていたら、今回みたいな事件にはならなかっただろう。カトリーヌも無事で、誰も傷つかなかった。
 ただ虚しいだけの結末となってしまったことが悔やまれる。
 レンデルは悲しんでいるセレスティンの手を優しく繋いでくれた。けして忘れることの出来ない思い出になるだろう。