殺人容疑をかけられた悪役令嬢の真実。

 彼は傲慢だが臆病で疑い深い性格だ。母親の言うことばかり聞いてきたが、人をそこまで信用していない。だからこそ、隠すことは不安で仕方がないだろう。
 一番安全で誰にも見つからない場所。それは自分の中に隠すことだ。

「馬鹿を言うな。そんなところにあるわけがないだろう!?」

「だったら、調べてみればいいだろう? 無実なら見つからないはずだ。おい、皇太子の衣服などを徹底的に調べろ」

 言い訳をするウィルモットの衣服を調べろと、レンデルは、自分の騎士団の人たちに指示を出す。だがウィルモットは必死に抵抗をする。

「皇太子の俺に触るとは大罪だぞ!? 貴様ら死刑になりたいのか」

「大人しくしていてください」

「うるさい。触るな!? やめろ」

 無理やり触ろうとするため、必死になって暴れるウィルモット。しかし、その時だった。

「いい加減にしないか。ウィルモット」

 突然大声で怒鳴りつける人物が。それは意識がないはずの皇帝陛下だった。

「へ。陛下……ご無事だったんですか!?」

 セレスティンは驚くが、陛下はゆっくりと起き上がる。青白く、弱弱しいが意識はハッキリとしている様子だ。

「ああ、聖女のお陰でなんとか助かった。だが意識を戻ると、また毒を盛られるかもしれない。だから意識が完全に戻らないふりをして様子を見ていたんだ。この馬鹿息子のせいでな」

 怒りをあらわにする皇帝。

「ち、違います。俺は、そんなことしておりません」

「そうですわ。あなたの可愛い息子が、そんなことをするわけがありません」

 必死に弁解するウィルモットと皇后だったが、皇帝は眉間にシワを寄せて、怒りで体を震わせていた。