殺人容疑をかけられた悪役令嬢の真実。

「はっ? だからって何なんだ? なら犯人はトリスタンだ。アイツは、聖女につきまとっていたからな」

「それでしたら、違いますわ。彼には自白剤を飲ませました。そうしたら素直に自白してくれましたわ。あなた方に依頼されたと」

「はっ? 何だと?」

 セレスティンの言葉に啞然とするウィルモット。まさか捕まっているとは思わなかったらしい。黒色のフードを羽織った暗殺者も送ったのに。

「他にも暗殺者に出向いた男も確保した。それも皇后の指示だと証言が取れている。アンナを自殺に見せかけて殺したのもな。そして側近・テリー。アイツもセレスティンに危害を加えるところを捕まえて自白剤を飲ませた。そうしたら出るわ、出るわ。皇后がウィルモットに、毒薬を盛るように仕向けたのも全部な」

 肝心な側近・テリーが捕まっていたとレンデルから聞いて、一気に顔色が真っ青になるウィルモットと皇后。
 まさか既に捕まっているとは気づいていなかったようだ。まぁ、命令しても他人に興味がない人たちだから仕方がないが。

「だ、だが、それだったらテリーが犯人かもしれないじゃないか!? それだけだと証拠とは言えない。そうだ、証拠を見せろ」

 それでも言い逃れようとするウィルモット。セレスティンは、心底呆れてしまう。
 こんなにも浅はかで自分のことしか考えないとは。

「……ですから彼は自白剤で全て自供したと、おっしゃったでしょう? それに証拠なら自分で持っているのでは?」

「……えっ?」

「あなたの臆病な性格では、何処かに隠すのは不安でしょう。人は母親以外は信用していませんし、人に預けることもしない。そうなると、ご自分で持っているのではありませんか? 陛下が眠っている寝室の合い鍵を」

 セレスティンは、ずっとウィルモットの傍で見てきたから知っている。