殺人容疑をかけられた悪役令嬢の真実。

 慌てて反論する皇后とウィルモットだったが、顔色は病人かと思うほど真っ青だ。

「それは、私が説明します。一番はカトリーヌを殺せるのは男性だったこと。二番はアンナが、どうして犯罪までして手を貸したか? それはウィルモット様にそそのかされたからでしょう。彼女は、あなたの皇妃になりたいという野望がありましたから。それに皇后様にもカトリーヌが陛下殺しの犯人にしようと思って指示を出していた。証拠は日記。アンナは、二重スパイだったのです」

 セレスティンは告げる。だからこそアンナは、犯行の手助けをした。
 皇后には、陛下に毒を盛ったことをカトリーヌの犯行には見せかけろと命令させる。
 褒美は『ウィルモットとの婚約』

 そしてウィルモットは、アンナを仲間に引き込んだ。多分口裏を合わせるために、だがそうなる前に誤ってカトリーヌを殺してしまった。そのため『皇妃』の座を盾に、共犯者として従わせたのだろう。
 アンナもカトリーヌを邪魔に思い、嫉妬で憎んでいた。都合のいい相手だった。

「だからって俺が犯人っていうには不十分だ。確かな証拠がない」

 それでも言い訳をするウィルモット。

「はい、でもまだ共犯者がいます。トリスタンです」

「トリスタン!? 私の息子だが?」

 宰相のラルフが驚いて声を上げる。まさか自分の息子が犯行に絡んでいるとは思わなかったようだ。
 ちなみにトリスタンは、現在行方不明のままになっている。
 まだ状況をラルフには言ってはいない。ギャンブルをするために仕事だからと噓を言って外泊をしていたから、居ないことにも気づきもしなかったのだろう。

「彼がギャンブル依存症です。たくさんの借金もあり、お金に困っていました。だからアンナと同じく、二重の犯罪に手を染めたのです。皇后様から毒薬の入手。そしてウィルモット様からは、合い鍵を作るようにと」

 セレスティンの言葉に絶句するラルフ。だが、ウィルモットは諦めない。