殺人容疑をかけられた悪役令嬢の真実。

 だから、あんなに怯えていたのだ。いくら死んでいたとしても、ナイフで人を刺すのは正気ではいられない。
 彼女にやらせたのは彼女に恐怖心を植え付けて、大人しくさせるため。
 そして血が自分の服につくとマズいから。

「だったら彼女が犯人だろ!?」

「だから言っただろう? 女の彼女ではカトリーヌを殺せない。既に絞められて殺されていたんだからな。相手は男だろうな」

「はっ? じゃあ、犯人は、警備の騎士だ。そうに違いない。それに、どうやって隠れると言うのだ? 密室だったんだぞ?」

 レンデルの冷静なツッコミに、ウィルモットは反論してきた。

(ウィルモット様……彼は、さっきから矛盾を言っているのに、気づいていないのかしら?)

 セレスティンは呆れながら、そう思った。密室と言いながらも、外の騎士を犯人だと言い始めた。それでは誰もが出入りが出来ると言っているではないか。

「……そうだな。犯人は密室になるように仕組んだ。陛下を殺すために合い鍵まで用意させて。もともと就寝には鍵をかけられていたからな。アンナをセレスティンに行かせた後は、ドアの裏側付近に潜んでいた。それでセレスティンを後ろから殴り、気絶せた後に、近くで様子を見ながら用具入れの物置きに隠れ……悲鳴が聞こえたら、何食わぬ顔で周りと合流した。それが出来たのは、ウィルモット。お前だ」

 レンデルは、ウィルモットこそが真犯人だと告げる。
 周りは、まさかとざわつく。それもそのはずだ。
 一番カトリーヌに好意を寄せていたのは、他でもないウィルモットだったから。

「ちょっと、何で私の息子が犯人なのよ!?」

「そ、そうだ。俺が犯人なわけがないだろう。証拠もないのに」