殺人容疑をかけられた悪役令嬢の真実。

 いつもより興奮気味に言うウィルモット。まるで、そうじゃないと許さないと言っているように聞こえる。

「ち、違うのよ……ウィルモット。お母様は、あなたが心配で」

「心配なら聖女の結婚のこと、早めに許してほしかった。そのせいで……カトリーヌは遠慮して、俺に冷たくなったんだ」

 ウィルモットの言葉にセレスティンは悲しい気持ちになった。そこまでしてカトリーヌと結ばれたかったとは。
 下を向きながらギュッと手を拳にして震えるのを我慢する。
 レンデルは、それに気づいたのか、セレスティンの手を握ってくれた。ハッと彼を見るセレスティン。

(こんなことで動揺していてはダメ。私には、まだやるべきことがある)

 セレスティンはグッと踏ん張って前を向いた。

「お話のところ失礼します。続きを話してもよろしいかしら?」

「な、何だと?」

「その話は別の時にしてくださいまし。私たちが言いたいのは、その先です。アンナと手を組んだ人物こそ真犯人。私が見た時に、カトリーヌの首には絞められた跡がありました。カトリーヌの死は、本当は絞殺。しかも凶器は手。彼女みたいな力の弱い女性では人を殺す腕力はありません。ヒモなど使わない限りは」

 初めてカトリーヌの死の真相を話す。

「そ、そんな馬鹿な。カトリーヌは血まみれで死んでいたんだぞ!?」

「たしかに、最終的にはナイフで刺しましたね。私の犯行に見せるためだけに」

「そ、そんなわけ」

「事実そうです。絞殺されたカトリーヌをナイフで刺したのはアンナでしょう。彼女の部屋から血がついたエプロンが出てきました。きっと捨てることも、燃やすことも出来ずに隠していたのでしょう。ひたすらバレるのが怖くて。日記にも恐怖と、殺したのは私ではないと書いてありましたし、命令だったのでは。その後に、犯人は隠れて待機、アンナに私を呼びに行かせたのでしょう」