殺人容疑をかけられた悪役令嬢の真実。

 ぴしゃりと放った言葉に、たじろぐウィルモット。悪役令嬢は、自分で蒔いた種だ。
 メイドや周りにも、その呼び名は広まり陰で嘲笑われていた。
 騎士たちも例外ではない。
 レンデルの率いる騎士団の人たちは、レンデルが厳しく指導したせいもあってか、馬鹿にはしてこなかったが。今回の警備の騎士は無関係だ。

「アンナも買収には手を貸すはずはありません。あの子はカトリーヌに嫉妬していたから。今回の事件には、アンナも深く関係しています。犯人は罪を私に着せるために、呼びに行くように命じました。あの子は共犯者です」

 セレスティンの言葉にウィルモットの顔色は変わる。すると皇后まで口に出してきた。

「でも、それだとアンナが犯人でもおかしくないじゃない!? 私は、あの子が真犯人ではではないかと、ずっと思っていたのよ」

 アンナ自身が犯人ではないかと決めつけてきた。セレスティンも最初は、それを疑った。嫉妬からの犯行だと。
 だがレンデルは、それを言い返した。

「聖女に関しては、それを疑ったが……彼女には陛下を毒を盛る動機がない。聖女を憎んでいるなら、彼女だけ殺せばいいだけだ。陛下まで殺してしまったら、さらに罪が重くなる。今回の犯人は、毒を盛った人物と一緒だ。その現場を聖女に見られたから殺された」

「そ、そんなの分からないじゃない。もしかしたら動機があったかもしれないわ」

「無理だな。アンナ……彼女が書いた日記が出てきた。そこには皇后がカトリーヌは噓つきで、聖女のふりをした悪魔だと言ったそうじゃないか? それに、何か吹き込んだこと。あの人に言われたからとか、共犯者が居たように書かれていた」

 皇后の言葉に反論するレンデル。
 すると、それを聞いたウィルモットは顔を真っ赤にして皇后に激怒する。

「お母様。酷いじゃないか!? 聖女のカトリーヌが噓つきなわけがないだろ。聖女は、美しく偉大なんだ。そうじゃないとおかしい」