殺人容疑をかけられた悪役令嬢の真実。

 ハンナをチラッと見ると、大きく頷いてくれた。

「は、はい。アンナというメイドが呼びに来ました。私も行こうとしたのですが、彼女はセレスティン様1人で来いと陛下から命令されていたらしくて」

「はっ? だから何だ? そんなのは何の証言にもならんだろう。お前の侍女なんだから、口裏を合わせることなんて容易いだろう」

 ハンナの証言を全く意味のない言葉だと嘲笑うウィルモット。それでも、セレスティンは毅然とした態度で話し続ける。

「まだ続きがあります。私はアンナと一緒に陛下の寝室に行きました。その時は鍵はかかっていませんでした。しかし中に入るとカトリーヌが倒れていて、慌てて駆け寄ってみると、既に殺されている状態。そのすぐ後に私も何者かに、後ろから殴られて気絶をさせられたのです」

「そんなの貴様の言い分だろ? 俺たちが見た時は、密室だったし、カトリーヌの傍には貴様しか居なかった」

「……そう私しか居なかったのです。呼びに来たはずのアンナも。それに近くで警備をしていたはずの騎士までもが」

 セレスティンの言葉に周りは、どよめく。
 普通に考えてもおかしいはずだ。アンナが居たことは噓だと思われても、警備に居るはずの騎士達が居ないのは、あまりにも不自然だ。
 いくら夜の警備だとしても、相手は国を背負う皇帝陛下。
 体も弱っている状態だ。敵だって忍び込んでくるかもしれないのに。

「そ、それは、お前が買収したんだろ? その騎士に」

「私に買収させたとしても、受け入れるとは限りませんよ? 私は、ここでは嫌われ者でしたから。悪役令嬢として」

「うっ……」