殺人容疑をかけられた悪役令嬢の真実。

 悪びれることもなく、まだセレスティンを殺人犯だと言い張るウィルモット。
 するとレンデルは、深いため息を吐いた。

「だから言っただろう? お前がそれを言う権利はないと」

「はぁ? どう意味だ? それは」

 レンデルがそう言っても、納得のいかないウィルモットは、ふて腐れたように言い返してきた。

「それは、私がお話します」

 そう言ってレンデルより前に出てきたのはセレスティンだった。

「あら、あなたが何の権利があって話すのかしら? 婚約破棄されて、殺人容疑をかけられた令嬢ごときが」

 やはり息子の肩を持つ皇后。そう言えば怯むのだと思ったのだろうか。

「えぇ、だからこそ話すのです。今回の事件の真相を」

 もう昔の自分ではいられない。周りはざわつくが、それでもセレスティンは口を開いた。

「今回の事件の最初の真相は、皇帝陛下の殺害でした。陛下に毒を持って殺そうとしたのが発端。それを聖女であるカトリーヌに見られてしまったので、勢い余って殺してしまったのでしょう。誰かの手によって」

 淡々と話すセレスティンに、最初に口を挟んだのは宰相のラルフだった。

「ですが……それだと、どうやって? 陛下の部屋には、防犯としていつも鍵が、かかっていました。鍵を持っているのは私と陛下のみ。用がある時は、私が鍵を渡すか、開けに行っていました」

「そ、そうだぞ。そんなのお前が殺したからに決まっているだろう。それに、その間は鍵もかかっていたんだ。誰も出入りしていない」

 ラルフに続き、そう言い張るウィルモット。
 そう……それが注目ポイントなのだ。

「たしかに、その間は誰も出入りしていませんでした。ですが、隠れることは出来たはずです。私はアンナに皇帝が話があると言われて寝室に出向きました。それは私の侍女であるハンナが証言してくれます」