殺人容疑をかけられた悪役令嬢の真実。

「こういう時は、大体こういう場所に隠れるものだ」

 側近をしているだけあって、勘が鋭いテリーは、すぐに用具入れの物置きに気づいてしまった。セレスティンは、あまりの恐怖に腰が抜けそうになる。
 だが、内側から鍵をかけていたので開けられない。チッと舌打ちをされる。

(た、助かった……)

 そう思った瞬間だった。ガンッとドアを蹴りつけてきた。一度じゃなく、22回、3回と容赦なく蹴り上げてくる。
 鍛え上がった足を力強く蹴るせいで、ドアが大きな音とともに凹み始めてきた。このままでドアが壊れるのも時間の問題だろう。
 セレスティンは驚きと怯えてしまい、全身がガクガクと震え上がった。顔面蒼白な表情で必死にドアを押さえる。
 もうバレていると思ってもいいだろう。そう思うぐらいに力が強い。
 セレスティンは泣きながら必死にレンデルの名前を叫んだ。

「た、助けて……レンデル様。レンデルさ……ま」

「やはり、ここに居たか」

「お願い……気づいて!!」

 もうバレるとかの問題じゃない。とにかく助けを呼ぶしかなかった。
 絶体絶命だと思った。
 しかし、その時だった。テリーの叫び声が突然聞こえてきた。

(えっ?)

 ドカッと地面が叩きつけられる音がする。そして凹んでしまったドアが開いてしまった。真っ暗な物置きから外の光が漏れだす。
 恐怖に怯えていると、顔を出してきたのはレンデルだった。

「大丈夫か!? セレスティン」

「……レンデル……さま」

 ずっと助けを待っていた彼が目の前に居た。