殺人容疑をかけられた悪役令嬢の真実。

 そしてディーラーがウィールを回すことでゲームがスタートすることになったのだが、見事にレンデルが予想した番号に入ってしまった。

「そ、そんなはずは……もう一回だ」

「ああ、いいだろう。これもなかなか面白いな」

 悔しがるトリスタンと違い、レンデルは余裕の表情で進めていく。
 その後も三、四回やっていくのだが、どれもレンデルが予想した番号にボールが入ってしまう。圧倒的な差で勝ってしまった。

「そ、そんなはずは……どうしてなんだ? 俺が負けるだなんて」

「……さあな。運も実力のうちと言うだろう? カジノはそういうもんだ」

 頭を抱えてうなだれるトリスタンは、相当ショックだろう。もともとカジノは、運を勝負をするためのギャンブルだ。勝つ時もあれば負けることもあるだろう。

(でも……こんなに差がつくものなのかしら?)

 レンデルの勝負運は確かにいい方だろう。国との戦でも勝利に導いた救世主だ。
 しかし、それでも運が良過ぎるのでは?
 すると、レンデルはチラッとディーラーの方を見た。そうしたらディーラーは、一瞬だがクスッと笑った。

(あっ……まさか!?)

 セレスティンはハッとする。もしかしたらディーラーはレンデルとグルではないかと思った。
 本当にそうなのかは確かめていないから分からないが、そう考えるのなら納得する。
 手先が器用な部下か、知り合いが居れば、潜り込ませてやらせることも出来るだろう。ルーレットを操作することぐらいは。

 セレスティンはチラッとレンデルを見る。レンデルは気づいたらしく、目が合うとニヤッと笑ってきた。それは、もう何か企んだように。
 セレスティンは確信する。これは……間違いないと。
 そうなると、先にウィールを回したいと言ったのもカモフラージュかもしれないと思った。