殺人容疑をかけられた悪役令嬢の真実。

「これに勝ったら、豪華な商品が欲しいものだ」

 そう言いながら彼が出したのは、ロイヤルストレートフラッシュだった。
 最強のカードに周りは余計にざわつく。中には拍手をする者も居た。

「そ、そんなバカな!?」

 トリスタンは動揺を隠せない様子だったが、レンデルはニッと勝ち誇った顔をしながらカードを一枚取って見せた。

「俺も勝ちだな? 勝負というものは、いつどうなるかが分からないから面白い。さて、ここの商品は何があるのだろうか?」

 レンデルはチラッと周りを見ると、一人のオーナーらしき男性がパチンと合図を送った。すると他のスタッフが奥のテーブルにかかっていた布を取った。
 そこには、何カラットするダイヤの指輪やピンクダイヤモンドのネックレスなど貴重なお宝が商品として置かれていた。そして小瓶が、そこにあった。

(あ、まさか……あれが陛下に使った毒薬!?)

 もし、あれがレンデルが言っていた毒薬だったら、大事な情報源になる。勝った人間が持ち去ったのなら、リストには残るはずだ。
 だが、負けず嫌いなトリスタンは急に立ち上がった。

「このまま負けを認める訳にはいかない。どうせ、まぐれだ。他のゲームの勝負で、俺の芯の実力が分かるはずだ!」

 よほど悔しかったのか、再度レンデルに挑発的な態度で勝負を申し込んできた。

(えっ? まだ勝負を申し込むの? レンデル様もどうする気かしら?)

 レンデルが意外にもカードゲームが得意なことは分かったが、他のゲームだと、どうなるのか分からない。このまま辞めさせるべきか。
 そうセレスティンが思っていたら、レンデルはクスッと笑った。

「ああ、いいだろう。その代わり、景品も貰うが、俺の質問に一つ答えてくれるか?」

「はっ? まぁ……いいだろう。俺は絶対負けないからな」

 レンデルの挑発にまんまと乗ってしまうトリスタン。このまま負けっぱなしみたいになるのが、よほど嫌なのだろう。相当な自信家だ。