殺人容疑をかけられた悪役令嬢の真実。

 華やかなドレスや派手な衣装を着た貴族たちが楽しそうに賭け事していた。
 セレスティンは今までダンスパーティーなど社交界でしか経験がなかったため、この雰囲気が衝撃的だった。目の前でお金がじゃらじゃらと落ちていく。

(これが……カジノ!? 初めて見たわ」

 まるで別世界。裏で、こんな賭け事をして貴族達は楽しんでいたなんて。
 するとレンデルは、こそっとセレスティンの手に何かを握らせてきた。ドキッとしたが、よく見てみると、小さくて丸い玉だった。

「……これは?」

「この玉は、魔塔から購入したものだ。お互いの玉に共鳴することが出来るから、会話をしたり、録音したりすることが出来る」

「会話が!?」

 そんな便利の良いものが魔塔で売ってあるだなんて驚きだ。いや、しかし。

「こんな高級そうなものを購入して大丈夫なのですか?」

 そうでもなくても薬のせいで資金が足りていないのに。
 セレスティンが不安になっていると、レンデルはあることに気づく。

「おい、あちらを見てみろ。やはり……アイツも、カジノにハマっている噂があるのは本当だったんだな?」

「えっ?」

 セレスティンは、レンデルが言った方向を見てみると、大勢の人の中にトリスタンの姿が。しかもルーレットなんか回して楽しんでいる様子だった。

「噓……トリスタン様が何故!?」

 トリスタンは宰相の息子の立場があるのに、こんな違法取引がある闇カジノに来ているだなんて、知れ渡ったら大事だ。
 驚くセレスティンと違い、レンデルは冷静。

「既に、その情報は入手している。トリスタン・オルコットは親や周りに隠れて闇ギャンブルにハマっていることは。そのせいで借金もかなりあるらしい」