殺人容疑をかけられた悪役令嬢の真実。

「……えっ?」

(幼い頃? レンデルは、幼い頃に少し皇宮に住んでいたことはあるが、早くに離宮に移り住んだはずでは?)

 セレスティンには記憶がなかった。
 また自分がウィルモットの婚約者になった頃だとしても幼かったせいで記憶が曖昧だ。

「覚えていないのも無理はない。まだウィルモットの婚約者になる、少し前だから。皇宮に居た頃は、母が身分が低いせいもあって扱いが酷かった。裏で皇后が手を回したのだろう。そのせいでウィルモットからもイジメられて、よく一人で泣いていた。そんな時に優しく声をかけてくれたのが君だった」

「わ、私がレンデル様に!?」

「ああ、ウィルモットに服を汚されていたから俺が皇子とか気づいて居なかったぞ。それにお互いに幼かった。それでも俺にとったら忘れられない思い出だ」

 そう話すレンデルの顔は優しい眼差しになっていた。どこか寂しそうで、懐かしいような。その時、フッと昔の記憶が蘇った。

(そういえば……この感じ、どこかで見た覚えがある)

 ずっと忘れていたが、どことなく懐かしさを感じた。

「だから、余計におかしいと思ったんだ。君は、こんなところで終わる女性じゃない。あんな理不尽な証言で死刑だなんて。絶対からくりがある。俺はそう信じて、君を守りたい」

 はっきりとセレスティンを真っ直ぐと見て発言をしてくれた。その意志は固く、熱いものだと感じた。
 セレスティンは、その言葉を聞いて、心臓がドキドキと高鳴ってしまう。まるで熱い想いをぶつけられているようだ。

 その時だった。裏道に入る頃には、道の設備が悪いせいでボコボコになっていたようだ。馬車が激しく揺らいだせいで、セレスティンが前に倒れ込みそうになる。
 レンデルは、慌てて受け止めてくれたが、抱きついた格好になってしまった。